If歴史アナキスライヒ

　ミンダウガス事件は1919年1月7日に、オーストリアの政治工作によってリトアニア国王ミンダウガス2世?が追放され、リトアニア評議会のタリーバが解散させられた事件。

　1918年に赤軍がウクライナに侵攻し、東方戦争が勃発するとオーストリア皇帝カール1世?の招集によってリガ会議が開かれた。しかしポーランド＝リトアニアの再興を狙うポーランド王国は東欧の安定を重要視するオーストリアと対立した。ポーランドはリトアニア王ミンダウガス2世をポーランド王位に付けようと画策しており、同君連合によってヤギェウォ理念?を達成しようとした。

　東欧関係を乱しかねないポーランドの行動を危惧したオーストリアは憲兵隊とバルト軍をリトアニア王都ヴィリニュスに派遣した。1月7日、憲兵らはリトアニア評議会に乱入して議長アンターナス・スメトナ?に銃を突きつけてタリーバ?を解散した。憲兵らの主導によってすぐさまリトアニアの国権はサエイマ?に統合され、リトアニア公国?の成立と共同国王アドルフ・メクレンブルク?の即位を宣言した。リトアニア王ミンダウガス2世は潜伏中の9日に逮捕され、山岳の孤城リヒテンシュタイン城に幽閉された。

　リトアニア王国とタリーバは崩壊し、権限はバルト連合王国に移譲され、立法権はサエイマに統合された。リトアニア王国の崩壊によってポーランドの夢は潰え、ヴィリニュス問題は解決するどころか波墺関係は悪化によって問題の複雑化を引き起こした。

　一方リトアニアを追放されたミンダウガス2世は監禁の上、退位を迫られたが署名することはなく生涯リトアニア王を名乗った。法的にはリトアニア王は廃位されていなかったため、ポーランド・リトアニア連合は必ずしも選択肢として無くなったわけではないが、国王がオーストリアによって監禁されている以上戴冠はできないと議会の反発を受け、ピウスツキは同君連合を諦めざるをえなかった。