If歴史アナキスライヒ

　大戦後期、両陣営が疲弊する中で、オランダ国内では大戦に介入し戦後レジームで影響力を増そうとする介入運動が盛んになりとりわけ右派は対フランスでの参戦を主張した。
　1月7日にフランスでヴェルサイユ革命が発生するともはや西部戦線は意味をなさなくなった。そんな中で世論は帝国主義的外征の機運が高まり、政府はこの大衆運動を抑えつけることができなかった。ついには首都アムステルダムでオランダ国家党の扇動によって民衆が暴動を引き起こし、来る1月20日暴動は絶頂に達して民衆は党の下に新聞社や官庁を占拠した。
　予てより政治の実権を掌握したかった軍部はこれを機に革命側として蜂起、22日に近衛兵によってアムステルダム王宮は占拠され王室は拘束された。この動きに対して24日に王党派や穏健左派は反動してレーワルデンで蜂起した。王党派の動きに危機感を募らせた革命政府は25日にヴィルヘルミナ女王を処刑し、10歳のユリアナ王女を女王に擁立した。
　これらの急進的な白色テロルは対象こそ違えど対戦後期における一連の革命運動においては、ヴェルサイユ革命の影響が大きいと考えられるだろう。

　フランスやオランダで革命が発生しこれらの勢力が少なからず弱体化したためドイツは比較的安全にブルゴーニュ地方に傀儡政権を建設できた。しかしこれらの政権は後に普仏同盟の成立によって崩壊した。
　オランダではフランス人に対する憎悪感情が絶頂に達しこれらの民族をオランダから排斥しようとする運動が流行した。こうした世論の後押しもあってオランダ革命政府は2月11日にフランスとベルギーに宣戦布告、わずか9日でベルギー首都ブリュッセルにオランダ国旗を掲げた。29日にはフランス領へ侵入、3月2日にリールを占領した。占領下のコルトレイクではフランス系のレジスタンス運動が激化し、オランダ軍は手を焼いた。こうした中で革命政府はモンスでアルデンヌ公エルンスト・ルートヴィヒと会談し、後にモンスの密書と呼ばれる協定書を交わした。