If歴史アナキスライヒ

　ライン紛争とは、ドイツ分裂期のプロイセン王国領内のラインラントで起きた紛争。フランクフルトで労働者が蜂起したことをきっかけとして、バイエルンがライン領内に侵攻し、プロイセンとバイエルン間で紛争が発生した。

　ドイツ分裂期、政府は非常に不安定であり、この時期多くの都市で労働者や地方軍人がデモを起こした。西部のライン地方ではプロイセン政府の影響力が弱まり、打開策としてプロイセン政府はフランクフルト支庁に権政権を分譲した。

　プロイセンによる権威主義的な統治に不満を持つ労働者は1月28日、ライプツィヒ会談?中にラインラントのプロイセンからの分離独立を要求した。しかしフランクフルト支庁?は本国への判断を仰げず、暴徒化する民衆に対して為す術なく銃口を差し向けた。デモ隊は1月29日に蜂起しライン・レーテ?の建国を宣言した。

　1月29日、ライン・レーテが建国を宣言する際、プロイセン政府はライプツィヒで会談を行なっていた。情報が全く伝わらない本国に代わって、フランクフルト支庁は蜂起の鎮圧を急いだ。支庁は瞬く間に陥落した。また同日、ケルンで労働者は蜂起、約一時間でケルンは陥落した。西部ドイツの重要都市が二つ落ちた結果フランクフルト政府はこれ以上鎮圧を続けることは不可能に近かった。この状態で運悪く、バイエルン・レーテがプロイセン領内に侵攻を始めた。これはライプツィヒ会談でバイエルン政府の主張があまり通らなかったことが影響したとされる。バイエルンの侵攻にプロイセン政府は為す術なく後退を続けた。一部地域では交戦もなくバイエルン軍の進行を妨げなかった。

　結局1月30日、プロイセン政府が情報伝達を受けた頃にはもう手遅れであった。しかしプロイセン政府としてもラインラントの影響力を失うことでライプツィヒ会談での発言力をも失う可能性が高かったため、何としてでもバイエルン軍の撃退を検討した。

　プロイセンの代表ヒンデンブルクはライプツィヒ会談においてバイエルンを痛烈に批判し、バイエルンへの総攻撃をドイツ諸邦に訴えた。しかしどのドイツ諸邦も、バイエルンへの攻撃は自国で革命が起きる可能性を高くするだけと、恐れプロイセンへ賛同した政府はなかった。バイエルンと交渉したオーストリア政府は、一応の第一目標を達成できたものの、バイエルンが南ドイツに影響力を拡大させることは、自身のオーストリア・ドイツ地方にも危機にしていると考え、バイエルンに対して不信感を抱いていた。オーストリアの代表フランツ・コンラート・フォン・ヘッツェンドルフは1月31日プロイセンと密談を行い、この密談でオーストリアは主張を弱めることで、シレジア政府を承認させた。一方でプロイセンは同じく分裂期に陥っているフランス第四共和国に働きかけ、フランス軍がラインラントを守備し、その見返りとしてプロイセン政府はフランス第四共和国の国際的承認を行った。この瞬発的な外交によりプロイセン政府は一応の難を逃れた。

　2月3日、密約に基づいてフランス軍がラインに侵攻した。アンリ・ジロー率いる正規軍の勢いに寄せ集めの蜂起は鎮圧されていった。