If歴史アナキスライヒ

　ニヴェル反乱は1917年のニヴェル攻勢?の失敗に伴ってフランス軍で発生した中央政府への反乱。

　第一次世界大戦後期、ヴェルダンやソンムなどでフランスは目立った戦果を挙げるげることができず、年々死傷者は増加する一方だった。これは戦局を楽観視した中央の政治家達が無謀な突撃を命令したからだとされる。上記の二戦で指揮を採ったジョゼフ・ジョフル?が事実上の更迭を受けると、後任にロベール・ニヴェル?が最高司令官となった。ニヴェルは48時間以内にフランスに勝利をもたらす、などと豪語してライン戦線に臨んだがニヴェル攻勢?では戦略的な成果を挙げられず、フランス史上最大の戦死者を出してしまった。

　大量突撃の効果に疑問を抱き、精神的にも疲弊していた前線の兵士は、ニヴェル攻勢が失敗してから命令に歯向かうようになり、これは大隊規模での抗命に発展した。また脱走兵の数も急激に増加し、この年の5月だけで脱走兵は5万人にも上った。

　前線での異変に察知したルーデンドルフ?は予め立てていた侵攻作戦を前倒しすることを決断し、前線の再構築を行って防衛陣地を強固なものとした。また小規模な攻勢も行いドイツ軍は平均10kmほど前線を押し上げることに成功した。

　成果を出せないまま大量の死者を出し、反乱を防げなかったとしてニヴェルは1917年5月9日付でアフリカへ更迭された。後任となったペタン?は補給の見直しなど待遇の改善を行った一方で反乱に関わった中心的な兵士を軍法会議にかけて処刑するなど硬軟な対処をした。しかし既に前線の兵士は慢性的な精神疾患と不衛生な環境で引き起こされる感染病の蔓延によって根本的な解決には至らず、結果としてニヴェル攻勢以降フランス軍の士気は下がった。

　後任となったペタンによってフランス軍の崩壊は避けられたものの依然として戦力差は健在であった。英仏軍同士の連携も崩れ、戦争遂行ができなくなる恐れもあったがその不安はアメリカの参戦によって奇しくも回避された。