If歴史アナキスライヒ

　イタリア戦線は北イタリアを主戦場としたイタリア軍と同盟軍の衝突を指す。一般的にイゾンツォから休戦が成立するまでの3年間の戦役である。

　リソルジメント下のイタリアでは『ローマ問題』が激化し、普仏戦争でプロイセンと闘った経緯からイタリアはオーストリアを含めた同盟を結んでいた。しかし1908年、オーストリアが当時トルコ領であったボスニアを併合した。イタリアは未回収のイタリアの返還を望んでいたが実現せず、これは伊墺関係が悪化する要因となった。

　こうした中でサラエボ事件が発生し第一次世界大戦が勃発すると、イタリアは同盟に集団防衛権の効力のみとして、ドイツの度重なる参戦要請を拒み続けた。協商は水面下でイタリアに自陣営に立つよう働きかけており、条件としてイタリア・イレデンタの割譲が揉み込まれた。1915年の4月26日にはロンドン条約が締結され翌月23日にイタリアは協商側で戦端を開いた。

　20世紀初頭、イタリアでは社会主義系の思想が広く勃興し、政治の転換期を迎えていた。この頃政権を主導していた社会党でも参戦を巡って度々議論となり改良主義者やムッソリーニらの直接行動派での対立が起こった。彼ら非主流派を除名・追放した社会党政権は戦役に中立主義的で曖昧な評価をして、これは大戦でのイタリアの求心力の低下を招いた。